実際、クーポンを貰った実験群の介入期間中の野菜、果物の購入量は著しく増え、割引券を使っていても、対照群よりもより多くのお金を使って、野菜と果物を購入していました。
また、割引期間が終わってからも、介入群の野菜や果物の購入量が多かった結果も興味深い現象です。
この原因については、野菜や果物を使って料理することが習慣化した可能性があります。
すなわち、安価で手軽に食べられる加工食品の方が安ければ、そちらを優先的に購入してしまうものの、割引によって安くなった野菜や果物を購入し、その際に料理の仕方を覚えてしまった場合、その後も購入を続けることが考えられます。
さらに、家庭での節約術が向上し、野菜や果物を使った多様なレシピを試す機会が増えるとともに、体重減少などの目に見える効果が実感できると、消費者は普段の食生活においてこれらの食材を積極的に取り入れるようになります。
たとえば、サラダやスムージー、野菜炒めなど、簡単で健康的な料理を日常的に作るようになれば、健康状態の改善や、さらなる体重減少も期待できるでしょう。
普段あまり自炊をしない人も、野菜や果物が割引になっているときは、それをきっかけに自分の食生活を見直すチャンスだと思って、割引に釣られてみるのも良いかもしれません。
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参考文献
Discounts on healthy food lead to increase in consumption – study
https://www.jpost.com/health-and-wellness/nutrition/article-775548
元論文
Effects of discounting fruits, vegetables, and noncaloric beverages in New York City supermarkets on purchasing, intake, and weight
https://doi.org/10.1002/oby.24058