さらにワープバブルから発せられた重力波は、これまで観測された中性星やブラックホールの衝突によるものと比べて、かなり高周波であることもわかりました。

つまり重力波の周波数を調べることで、それが天体の衝突によって生じたものか、ワープバブルの崩壊によって生じたかを区別することができるのです。

現在の重力波測定装置は主に中性星やブラックホールの衝突など天体の衝突によって生じた低周波の重力波を測定することに特化しています。

しかしより高周波の重力波を捕らえられるようになれば、理論上、ワープバブルの崩壊も探知できるはずです。

もしワープバブル崩壊の痕跡が多い場所を特定できれば、恒星間文明が使用する「航路」や「基地」あるいは「戦場となった場所」を知ることができるかもしれませんね。

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参考文献

What no one has seen before – simulation of gravitational waves from failing warp drive
https://www.uni-potsdam.de/en/headlines-and-featured-stories/detail/2024-07-29-what-no-one-has-seen-before-simulation-of-gravitational-waves-from-failing-warp-drive

元論文

What no one has seen before: gravitational waveforms from warp drive collapse
https://doi.org/10.48550/arXiv.2406.02466

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。