そこで新たな研究では、ワープドライブを運用する恒星間文明でも、飛行機やロケットのような事故が起きているはずだと考えました。
異星人がどんなに優れた存在であっても、事故をなくすことはできないはずからです。
また調査対象を「事故」に限定したのにも理由はあります。
ワープバブルは安定して維持されている場合には、重力波などを発さないと考えられており探知することは困難です。
しかしワープバブルが制御を失い崩壊した場合、観測可能な重力波を放出する可能性があります。
そこで研究者たちは数値計算によってワープバブルが崩壊したときに、どのような現象が起こるかをシミュレーションで調べてみました。
先にも述べたように、ワープバブルは相対性理論で説明可能な現象であるため、崩壊したときの影響も相対性理論をベースにした仮想世界で予測することが可能です。
すると、ワープバブルの崩壊直後に負の物質エネルギーの波が放出され、その後、爆心地から正と不のエネルギーの波が交互に発せられることが明らかになりました。
上の図はその様子を示しています。
また崩壊したワープバブルの残骸からは、重力波のバーストも放出され、物質エネルギーの波とほぼ同じ速度で拡散していくことが示されました。
こちらの図では爆心地から重力波が広がっていく様子が示されています。