営業の魔法など存在しない
筆者が外資系で有名なコンサル会社で働いていたときの話になります。世界1000人のコンサルタントの中で売上・利益ともにトップになったことがあります。また、在籍期間中は全社で10位以下には落ちたことがありませんでした。
しかし、報酬はなかなか上がりませんでした。私は上司に不満を表明します。それがきっかけとなり、顧客を全部はがされる羽目になりました。当然ながら、期初にたてた目標数値が変更になることはありません。では、翌年の営業成果はどうだったのでしょうか。
じつは、世界1位の売上を記録していました。日本がヘッドオフィスですから、日本で1番=世界で1番です。誰も私にかなわなかったのです。では、私はなにか特別なことをしたのでしょうか。それは否、単純に営業量が圧倒的だったのです。
かっこよく受注できる営業ノウハウなどあるはずもなく、営業量が成果に直結していたのです。ほかのコンサルタントが御用聞きをしている間に、毎日何社も回っていたということです。では、なにを売っていたのか?それは高橋さんが本書で書かれている「信頼」だと思います。
最近、とかく「ラクして~できる系」の本が増えました。私としては、まったく評価できません。仕事って、そんな楽ではないし、効率のいい方法などもないと思っています。
まずは実践あるのみ行動する際にあれこれ考えると、理屈で動けないことがあります。そのようなクセのある人は、「即アクション」を心がければいいでしょう。いろいろと考えると動けなくなるので、すぐに動くことを意識すれば難しくないはずです。また、高い結果を求めずに「60点でOK」を心がければ、思考もポジティブに変化していくでしょう。
本書は行動変容を学ぶためのメソッド集です。ステップバイステップで本書を読み進めるうちに、自然と従来の窮屈な時間管理方法の呪縛から解き放たれていくことでしょう。まずは実践あるのみ、チャレンジしてください。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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