バイデン氏とネタニヤフ氏、どうする盟主の関係
バイデン氏がネタニヤフ、イスラエル首相と4日、電話会談しました。きっかけはガザで人道支援をしていたアメリカ人隊員7人がイスラエルの攻撃で死亡したことですが、バイデン氏はほぼ堪忍袋の緒が切れたとみています。電話会談も相当緊張した状態だったとされますが、ネタニヤフ氏は隊長をすげ替える対応で済ませるのでしょうか?バイデン氏は即時停戦を求めており、対イスラエルの政策変更をちらつかせています。
一方のネタニヤフ氏は国内事情から引くに引けない状態です。ラファへの地上侵攻を明白に宣言している以上、ネタニヤフ氏の性格からすればやる気なのだと思います。氏としてはやり切った段階で判断をしてほしいという主張だと思いますが、人道的問題のみならず、イランへの刺激が気になるところで今の状況は一歩間違えばとんでもないことになりかねません。また現状、イスラエルに喜んで手を貸す国はないに等しく、孤高の戦いが招く悲劇のシナリオもないとは言えません。
一方、アメリカとしてはユダヤ人との関係は切れないわけで、批判の矛先をネタニヤフ政権に絞り込むようかじ取りをしないとバイデン氏は大統領選でしっぺ返しを食うことになります。トランプ氏は外交に興味はありませんが、イスラエルだけは大事にする公算が高く、今、その関係を壊そうとするならトランプ氏を利する可能性が出てきます。トランプ氏は選挙戦の間、あまりにもタッチーな問題なのであまり触れないようにするとみています。私の最大の懸念は反イスラエルの思想を持つ原理主義的活動家が虎視眈々とチャンスを狙っている可能性であり、先が見通せないリスクはあると思います。
なぜなくならない、業界不祥事日経が「〈NEO-COMPANY〉上司の顔色見て仕事 座談会、不正の現場と再生の道筋」という記事を上げ、日本で頻繁に起きる業界不祥事を取り上げています。記事に結論はないのですが、なぜ、起きる不祥事は私から見ると極めてシンプルです。日本の集団主義と遠慮と強制同意やむなしとする姿勢だと考えています。表と裏とも言えます。かつて「仕事は5時から始まる」と言われたのは本音=裏話は酒がないとできないオフレコ話とも言えます。ただ、最近は酒を飲んで本音を語る機会が減り、ストレスを家に持ち帰るか、自分の趣味にぶつけるようなスタイルに変わってきています。
私にはその現状は一種の二重人格の形成だと思うのです。本音と建て前そのものです。会社の業務部分、つまりハードの部分はもちろん社外秘ですが、会社の雰囲気や実態などソフトの部分も「人に言えず」なのでしょう。むしろ女子社員のほうが学校時代からの仲良しに「ちょっと聞いてよー!」といって長電話や夕飯で喋りまくり、ストレス発散されているように見えます。
私は稲盛和夫氏のアメーバー型組織作りが以前から好きではないのは悪の温床にもなりかねない表裏一体の考え方になりかねないからです。本当は正義感を持っている人材がいても「お前、連帯責任を取らされるだろう。ここは頭を冷やせ」とたしなめられるわけです。本来であれば社員個々がもつ能力を引き出せる社内環境づくりが大事で、平等主義的に会議にずらずらと頭数だけ揃えるのではなく、強いリーダーシップと社員の才能を引き出せる組織であるべきです。ただ、それをすると7割の社員が振り落とされてしまい、つまらない思いをしなくてはいけません。これが構造改革の最も難しいところでもあります。