■火星の生物は人類を歓迎してくれるのか?
オレグ・アルテミエフ氏は決して空想好きなSF愛好家ではなく、むしろ夢を思い描かないリアリストであるという。地球上でどれほどよく消毒されていても、宇宙船が微生物なしで惑星を離れることができる方法はないという。ロシアは、旧ソ連時代の1960年から火星を周回飛行しており、1971年から探査機で火星に着陸している。米国はさらに進んで、1990年代から火星に探査車を配置し、地球の微生物を拡散させているというのである。
そしてISSのミッションではクマムシがISSの船外で生き残り、繁殖できることが証明されている。
こうしたいくつかの明らかな事実を結びつけたアルテミエフ氏が出した結論は、人間が火星に足を踏み入れたとき、我々が地球から持ち込んだ生物が火星で繁殖しているのを発見するというシナリオだ。火星は地球と環境が大きく異なるため、地球から持ち込まれた生命体はおそらく変異して繁殖しているという。
彼の“逆パンスペルミア説”への異議としてもっともらしいのは、火星の環境と宇宙旅行は微生物でさえ生き残るには過酷であるという指摘である。しかしNASA、ロスコスモス、その他機関の宇宙プログラムが、特に地球に戻った後の宇宙船の清掃について懸念を抱いていることを考えると、あまり説得力を持つものにはならない。地球外生命体が地球に持ち込まれるリスクが現実的に想定されているからである。
もう1つの質問は、人類が火星で地球の生命の子孫を見つけた場合、彼らは我々に会えてうれしいのかどうかである。彼らは地球に連れ戻してくれと懇願するのだろうか。
漫画家のウォルト・ケリーのかつての風刺漫画に面白いメッセージが記されている。
「私たちは敵に会いました。そしてその敵は私たちです」
将来に我々が火星に降り立った時、独自の進化を遂げていた我々の子孫は、はたして人類を好意的に迎え入れてくれるのどうか、そこには何の保証もないようである……。
参考:「Mysterious Universe」、「Sputnik News」、ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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