J2では外敵から身を守るための化学物質を貯蔵する組織「外套膜腺(MDF)」が体の後ろの方に誕生。
J3では青色と黄色の色素沈着が体に起こり、J4では体の背側後方に肛門突起が形成され、その中心に成体の肛門が形成されました。
J5では「外套膜腺(MDF)」が体の前方にも現れ、J6では触角が真ん中が少し膨らんだ紡錘形になり、J7では黄色の斑点が出現。
こうした9つのライフステージを経て、アオウミウシは完全なる成体となっていたのです。
その6カ月後には交尾と産卵が確認され、再び新たな命のサイクルが始まっています。
以上のように、アオウミウシを卵〜成体にかけて飼育下で育て上げた例は世界では初めてとのことです。
この貴重な成果により、今後はアオウミウシを外見から観察するだけで、9つのライフステージのどの段階にあるかが特定できると期待されています。
アオウミウシでは従来、幼生や幼若体、成体の適切な飼育条件が不明でしたが、今回の知見は各ステージにおける飼育方法の確立にも大いに役立つでしょう。
また同じ知見はアオウミウシが属するイロウミウシ科の他の種にも応用可能と考えられています。
これらは研究用の飼育のみならず、水族館展示などの商業利用にも貢献できるとのことです。
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参考文献
アオウミウシを卵から成体まで育てることに世界で初めて成功
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20240805140000.html
元論文
Staging of post-settlement growth in the nudibranch Hypselodoris festiva
https://doi.org/10.1038/s41598-024-66322-4