チョコレートの製造には加熱工程がある

 今回の件は購入者の誤認であったわけだが、一般論として、食品製造工場において生きている虫が混入し、購入者が開封するまでその虫が生きているという事態が発生する可能性はあるものなのか。実践女子大学名誉教授で元東京都立衛生研究所(現:東京都健康安全研究センター)部長の西島基弘氏はいう。

「断定的なことはいえませんが、一般論として、チョコレートの製造には加熱工程があり、生きた虫が製品に入るとは考えられません。一般的には、チョコレートに虫が入らないように銀紙で包んでありますが、投稿された写真を見る限り、その点はよく分かりません。もし銀紙で包んでないとすると、この幼虫が隙間から中に入ったことも考えられます。一匹だけですので、蛾などがチョコレートの隙間から卵を産み付けたとも思えません。虫が端のほうにいますので、包装の隙間から入ったことが考えられます。昨年に購入された製品とすると、チョコレートの包装に隙間があった可能性が考えられますが、その隙間が製品の輸送途中で生じたのか、消費者が保存中に触った時に生じたのか分かりません。原因の特定はとても難しいでしょう」 

 市販食品の異物混入事案としては、今年5月、アサヒグループ食品のベビーフードの煮物に製造ラインで使用している樹脂製の部品の一部が混入したとして、同社はこの煮物が含まれる商品約9万5000個を自主回収すると発表。今年9月、業務スーパーは、「イタリアンビスケット(ヘーゼルナッツ&ココア)」の一部商品において金属異物の混入が認められたとして自主回収を発表している。

(文=Business Journal編集部、協力=西島基弘/実践女子大学名誉教授)

提供元・Business Journal

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