【当日】駅の伝言板を利用する
携帯電話やポケベルが普及する以前、多くの駅には「伝言板」が設置されていました。これは、待ち合わせ場所の定番だった駅の改札口や出口付近に置かれ、黒板とチョークで待ち合わせ場所や時間変更などを伝える連絡手段として広く利用されていました。
たとえば2024年にはNetflixで実写映画版が公開され、グローバルヒットとなった人気作品「シティーハンター」では、主人公の冴羽獠に仕事を依頼する際には駅の掲示板に「XYZ」という暗語を書き記すという方法が取られています。駅の掲示板が伝言の役割を果たしていたことをあらわしています。
一方、先述した通り、駅の掲示板はポケベルや携帯電話の台頭で姿を消していきました。撤去の背景には、使われなくなった掲示板が若者のいたずら書きの場になってしまったことも挙げられますが、「不要になったこと」が一番大きな理由でしょう。
令和に「駅の伝言板」の価値が見直され始めている
一方、首都圏の駅で伝言板の復活が相次いでいます。たとえば、PR TIMES社は2022年末から2023年年始にかけて、東京・池袋駅構内に大型の伝言板を設置。「大切な人への思いを、伝言板に書いてみませんか」というキャッチフレーズのもと、チョークで自由に書き込めるこの伝言板には、わずか1週間で約1000人もの書き込みがありました。
また、JR東日本グループの広告代理店であるジェイアール東日本企画は、2022年9月からJR総武線の4駅に「街あわせくん」というデジタル伝言板を設置しています。スマートフォンやパソコンから投稿されたメッセージがデジタルボードに表示される仕組みで、サービス開始から約4カ月で2000件を超えるメッセージが寄せられたそうです。
これらの取り組みは、デジタル時代だからこそ見直される「手書きのメッセージの温もり」や「リアルな駅空間でのコミュニケーション」の価値を示しているといえるでしょう。「昭和・平成レトロ」ブームとも相まって、駅の伝言板の価値が現代社会で再評価されつつあります。デジタル化が進む中で、アナログな手法による人と人とのつながりの大切さが改めて認識されているのかもしれません。
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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