携帯電話の登場により便利になったことのひとつが「待ち合わせ」。電話やメール、SNSなどを使ってリアルタイムに居場所を伝えられるようになったほか、たとえば位置情報アプリ「whoo」などでより詳細な居場所も共有できるようになりました。
このように位置情報共有や待ち合わせが簡単になった2024年現在から振り返ると、意外と思い出せないのが「携帯電話登場以前はどのように待ち合わせしていたのか」。急な予定変更や待ち合わせ場所の変更があった際、以前は連絡を取る手段がなかったのではないでしょうか。かつての待ち合わせ方法を振り返ってみましょう。
【事前の予定決め】固定電話で前日までに予定調整
携帯電話が登場する以前、国内での待ち合わせ方法は、ポケベル登場以前は「事前の予定決め」に依存していました。待ち合わせの約束は、通常、家の電話を使って行われ、遅くとも前日までには日時と場所を決めていました。
そして当日「相手が現れない」ないしは「急な予定変更があった」場合は、公衆電話から相手の家に電話をかけることが一般的でしたが、相手が留守の場合は連絡が取れず、そのまま待つか「伝言板」を利用するしかありませんでした。
【当日】ポケベルで連絡を取る
1980年代後半から1990年代にかけて、ポケットベル(通称:ポケベル)が普及し、外出先での連絡手段として重宝されました。ポケベルは個別の電話番号が振り分けられており、その番号に電話をかけることで数字によるメッセージを送信できました。
ポケベルのメッセージは数字の語呂合わせで作る暗号めいたメッセージのほか、数字二桁で文字を1文字あらわすものがあります。たとえば、「うえの」であれば「131455」。待ち合わせの際は、これにポケベル暗号を組み合わせて、「131455-19-117-1330」(上野に13時30分に行く)といったメッセージを送っていました。
一方、ポケベルが使われていた年数はさして長くはなく、1998年頃から携帯電話が急速に普及。言い換えれば、1990年代後半にはすでにポケベルないしは携帯電話で待ち合わせをしていたと考えられます。