経験豊富、多様なバックグラウンドから成る強力な経営陣

Image Credit:Inclusivity Solutions

Inclusivity Solutionsを創設したのは、意外にもアフリカのルーツではないJeremy Leach氏だ。同氏は、英国バース大学の国際開発の修士号、および英国の公認会計士資格を持ち、特にマイクロ保険とデジタル保険に精通する。

Deloitte、グローバルコンサル会社BFA、NPOのFinMark Trust、保険会社Hollard Insuranceなど、数々の企業・団体において責任者として保険やモバイルマネーに関するリーダーシップを発揮し、さまざまな保険イノベーションを推進した。

また、財務大臣の要請で南アフリカの短期保険諮問委員会の委員を務めたほか、モバイル保険に特化したマイクロ保険仲介会社MicroEnsureの非常勤取締役も務める。保険や金融関係のイノベーションに関する国際会議で定期的に講演も行い、モバイル金融サービスの世界的専門家として多大な影響力を有する。

また、2021年にInclusivity Solutionsに入社し現CEOを務めるIndira Gopalakrishna氏も、インド・バンガロールのRV工学大学でコンピューターサイエンスを専攻し、インドのXLRIビジネススクールでマーケティング戦略のMBAを取得した背景を持つ。

インドとシンガポールの多国籍保険会社で10年以上勤務後、ILO(国際労働機関)にてケニアで特別研究員としてEquity Bankの保険代理店のデジタル化を支援した。その後、シンガポール大手コンサル会社ミリマンでシニアコンサルタントを務め、世界中の新興市場でマイクロインシュアランスのプロジェクトを推進した。

もちろんアフリカ出身の責任者や社員も多く所属しているが、このように、Inclusivity Solutionsはこうした保険・金融畑を世界中で長年突き進めてきたスペシャリストらによって成り立っている。それでこそ同社独自のソリューションを以てアフリカに革命をもたらしているのだろう。

アフリカの未来に向けて

世界銀行が2024年1月9日に発表した報告書「Global Economic Prospects」によると、2024年の世界全体の経済成長率は2.4%の見込みで、成長率は3年連続で鈍化するとの予測だが、一方でサブサハラ・アフリカの経済成長率は2024年に3.8%、2025年に4.1%になるとの予測が出ている。

加えて、アフリカでは人口成長率も著しく、IMFのレポート「AFRTICAN CENTURY」によると、アフリカの人口は2050年に約25億人に達し、世界人口の約4分の1を占める世界最大の人口を擁する経済圏になると、2022年時点では予想されている。つまり、約25年後には地球の4人に1人がアフリカ人になるのだ。

このような経済成長と人口増加に伴い、アフリカでの保険ニーズがますます高まっていくことは明らかだ。Inclusivity Solutionsの勢いはとどまることなく、同社LinkedIn公式ページの発表によると、2024年には、ナイジェリア、セネガル、トーゴの3ヶ国で拠点を増やす計画があるという。

アフリカ保険市場のさらなる競争激化が予想される中、同社の躍進から目が離せない。

参考・引用元:
Inclusivity Solutions公式サイト
Inclusivity Solutions LinkedIn公式ページ

(文・Mika Ito)