現代ではかなり希少となった2ストバイク。
それでも根強い人気があり、名旧車として愛されているモデルも多い。
特に1980年代は2ストローク全盛期と言われているが、
そんな2ストバイクにも、当時には”時代遅れ”といわれる時期があったのである。
1970年代後半に排ガスによる環境汚染が北米を中心に世界的な問題となり、どのメーカーも2ストから4ストへの移行を始めていたためだ。
そんな中、突如登場したのがRZ250だ。
1980年に発売され、ヤマハにとっては2ストモデルの集大成を送り出す目的で、市販レーサーTZ250と同様のエンジンレイアウトを採用し、35馬力という圧倒的なパワーにモノクロスサスペンションをオンロードで初搭載した、まさに最高傑作といえるモデルとなる。
これが大ヒットし、90年代の半ばまで続く2ストレプリカブームを生み出したのだ。
あまりの人気ぶりに欧州向けに発売されていたRZ350が国内でも販売され、
「ナナハンキラー」と呼ばれているのは有名である。
その後TZRシリーズも登場し、ますます2ストレプリカブームが盛り上がる中、RZ250のカウル付きモデルRZ250Rのあとを受けるかたちで1990年に登場した2ストロークスポーツがR1-Zだ。
はしご状のトラスフレームと、途中で交差したクロスチャンバー。並列2気筒249ccの水冷2ストエンジンは、TDR250と同じ系統のユニットで、低中速域でのレスポンスを向上させた仕様が特徴となる。
また、片側二本出しのカーボンサイレンサーや、結合部分までこだわり表面が綺麗に仕上がる冷間鍛造で製作されたX字のパイプフレームなど、美しい見た目から所有感を得られるのも魅力のひとつだ。
熟成された技術による馴染みある2ストスポーツの楽しさを体感させてくれるマシンである。
プリンさんは、そんなR1-Zに魅了されたひとり。
シートをカスタムした経緯と、カスタム後の感想を紹介しよう。
シートの劣化は避けきれない
長く大切にしてきた希少なバイクだが、シートの劣化だけは避けきれず、リペアシートを探していたプリンさん。そんな時、バイクシート神戸を見つけたそうだ。
「せっかくならタックロールでカスタムがしたいと伝えたところ、新たに型から作ってもらえるとのことで、早速依頼しました。
納期についても、控えていたツーリングに十分間に合う速さで仕上げて頂けると聞いたので、完成を楽しみに待つことにしました」。