■主人公の名前が小説版と類似

そんな人気作の『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』だが、1993年には「小説ドラゴンクエストV」が発売に。ゲームでは主人公の名前はプレイヤーが入力する形が取られていたが、同小説では著者の久美沙織氏が創作した主人公キャラクター「リュケイロム・エル・ケル・グランバニア」(通称「リュカ」)という名前が使われていた。

しかし、その後2019年に公開された『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』では、主人公の名前が小説版と類似した名前「リュカ・エル・ケル・グランバニア」が使用されており、それらを発端として久美氏がスクウェア・エニックスや東宝に損害賠償を求めた裁判を行なった。

裁判を起こす経緯としては、事前に久美氏が映画公開前にスクウェア・エニックスと協議し、リュカの名称が小説由来のものであることをエンドクレジットやパンフレットに明示すること、公開に合わせて「小説ドラゴンクエストV」の宣伝販売することを求めたものの、スクウェア・エニックスが「名前には著作権がない」と応じなかったことで2021年に久美沙織氏が提訴することになったと自身のnoteにて公開している。