結果は同様に、わずか数分以内で腹部の透明化が起こり、体内の肝臓や小腸、膀胱といった臓器をはっきりと識別することができたのです。
これは生きたまま内臓の動きを見ることができる点で、生体を傷つけない非侵襲的な医療ツールになると期待されています。
こちらはマウスの腹部を透明化した実際の画像ですが、刺激的な内容のためボカシを入れています。(※ボカシなしはこちらから。)
洗い流せば元通りに!
さらに重要なポイントは、マウスの皮膚を水で洗い流せば、皮膚の状態が元通りになったことです。
加えて、体内に吸収されてしまった余分なタートラジンも、塗布から48時間以内に尿となって体外に排出されることが確認されました。
またタートラジンの塗布によってわずかな炎症こそ見られたものの、それ以外は健康に悪影響もありませんでした。
この結果を踏まえて、タートラジンによる透明化は安全かつ簡単な方法として、医療目的に利用できると結論されています。
こちらは人体にタートラジンを塗った場合のシミュレーション映像です。
その一方で、この方法が私たちヒトにも応用できるかどうかは実証されていません。
そもそも私たちの皮膚はマウスの皮膚よりも数倍厚いため、タートラジンが皮膚の深層まで吸収されにくいと予想されます。
またタートラジンの塗布量も必然的に多くなりますが、それに伴う害悪はないのかどうかも確かめなければなりません。
しかしこれらの点がクリアになり、人体にも応用できると実証されれば、体内の様子を安全かつ安価に見る方法として医療界に革命を起こすと期待されています。
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参考文献
Researchers make mouse skin transparent using a common food dye
https://news.stanford.edu/stories/2024/09/using-a-common-food-dye-researchers-made-mouse-skin-transparent