このアイデアをわかりやすくイメージ化したものがこちらです。
このアイデア実現のためにチームはまず、マウスの皮膚組織と光の相互作用を様々に変える化学物質を調べ、いくつかの候補をピックアップ。
その中から、スナック菓子やシロップの食用着色料として一般的に使われている「タートラジン(通称・黄色4号)」が最良の候補として選ばれました。
研究者によると「タートラジンは光を吸収する強い性質を持ち、水に溶かすと、その水がまるで脂肪のように光を曲げた」という。
つまりタートラジン溶液を皮膚に染み込ませると、液体部分と脂肪部分の屈折率が一致して透明化が期待できるのです。
チームはこの実証テストを行いました。
皮膚の「透明化」に成功!ヒトでも可能か?
チームは最初の検証段階として、薄くスライスした鶏むね肉にタートラジン溶液を染み込ませて、透明になるかを試してみました。
すると、ご覧ください。
下図の左は実験前、右は実験後ですが、右のタートラジンを塗り込んだ方は下に置いた「スタンフォード」の字がしっかりと透けて見えるようになったのです。
研究者の説明では、タートラジン溶液を塗ってから数分ほどで透明化が起こったといいます。
では次に、生きたマウスを対象に、一時的に毛を剃った皮膚にタートラジン溶液を塗り込みました。
最初に頭皮で行った実験の結果、タートラジンが皮膚全体に染み込むと、ものの見事に頭皮が透明化し、中が透けて見えるようになったのです。
頭蓋骨の表面を走る血管を皮膚ごしに0.001ミリメートルの解像度で見ることができました。
さらに同じ実験をマウスの腹部でも行っています。