■数学のプロも「初めて見た」と驚き
ポスト投稿主・青かんぱちさんは、今回の問題の詳細について「学校の授業で解いたプリントの問題になります。(授業中に)『5つずつ並べないといけない』といった説明は聞いていないとのことでした。いつも満点の息子が言うので、間違いないと思います」と、説明していた。
ちなみに、プリントの単元名は「10より おおきい かず」となっている。
続いては、小学生から高校生までを指導する総合進学塾「あすなろ学院」の小学算数、中学数学、高校数学の教科責任者・森山昇平氏に、こちらの問題を見てもらう。
やはり、数学指導のプロから見てもこちらの問題はかなり異質に映ったようで、森山氏は「今件のような問題は、私は初めて拝見しました。当塾では『株式会社文理』の教材を採用しておりますが、採用している小学1年生用の算数の教材にも、今件のような問題はございませんでした」と、語っていた。
では、数学のプロから見て、この問題の「ねらい」は、どのように感じられるのだろうか。
こちらの疑問に対し、森山氏は「サビタイジング(subitizing)」と呼ばれる『いくつあるかが見てすぐにわかる』知覚過程、が背景として一部関係しているのではないか、と考えます」と、分析する。
こちらの領域について、専門家の先行研究によると、5歳児では3~4個、成人では4~6個の個数が「いくつあるかが見てすぐにわかる」事象であるとも報告されているそうだ。
こうした前提を踏まえ、森山氏は「6~7歳の小学1年生を対象とするなら、先行研究に倣えばサビタイジングの個数は4個程度と推測されます。そういう背景の中で『多いおはじきの個数を正確に数えるにはどの数え方が最も有効か』というトピックを小学1年生に考えてもらう、というのがねらいなのではないか…と推察します」と、私見を語ってくれた。