また、高齢になるほど罹患率は上がりますが、予防に熱心でも自分が発病すると思っていないので発病時の準備がなく、皆、パニックになりやすいという傾向もあると言います。

「結果、不適切な治療に走る原因にもなりやすい特徴があります。突然やって来るという意味では、がんは『天災』と同じです。そのため、『がん防災』という考え方が必要ではないかと考えるようになりました」(押川さん)

正しい情報を入手しよう

押川さんは「生活習慣を変えることでリスクを減らすことができる」と言います。そのためには、禁煙、節酒、食生活、適正体重、適切な運動の5つの指標でチェックが必要になると言います。

喫煙によって、肺がん、食道がん、すい臓がん、胃がん、大腸がんなどさまざまながんのリスクを高めます。吸う人には近寄らないことです。飲酒によって、食道がん、大腸がん、肝がんのリスクが高まりますから、お酒もほどほどにしなければいけません。

野菜と果物の1日の目安は400グラム以上です。塩分の1日の目安は男性8グラム、女性7グラムまでです。熱すぎる飲食物は食道がんの原因となります。

ネットのがん情報は玉石混交です。この機会に、正しい情報について理解しておきましょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)