右下のタイムスケールは排卵までの時間と分を表しており、映像は実際より早送りになっています。
研究主任のメリナ・シュー(Melina Schuh)氏によると、排卵の瞬間は「3つの段階に区別することができた」といいます。
まず1つ目が「膨張」です。
これは成熟した卵胞がヒアルロン酸の分泌により、周囲の液体を卵胞内に取り込むことで起こっていました。
ヒアルロン酸の働きは卵胞の膨張に不可欠であり、研究者がヒアルロン酸の生産を遮断したところ、卵胞が膨張しなくなり、排卵も起きなかったのです。
次に2つ目が「収縮」です。
これは卵胞の外層を覆う筋細胞によって引き起こされていました。
膨張した卵胞を筋細胞をギュッと収縮させることで、中の液体がその圧力に耐えられずにビュッと外に飛び出すしかけとなっていたのです。
こちらも筋細胞の働きを阻害すると収縮が起きなくなり、排卵も起こりませんでした。
そして3つ目が「排卵」です。
これは映像の通り、収縮した卵胞が内部の卵子を排出する段階を指します。
このように排卵の瞬間に起こる詳しいプロセスを視覚化できたのは初めての成果です。
チームは今回の知見をもとに更なる調査を進めることで、妊娠メカニズムの理解を深めながら、不妊治療に役立つ情報が得られるかもしれないと期待しています。
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参考文献
Ovulation filmed from start to finish for the first time
https://www.mpg.de/23607874/1018-bich-ovulation-filmed-in-real-time-17216463-x