ラーメン屋ではスピードが大事なので、丁寧さは必要なかったということ。強みが適切かどうかは、状況や相手によって変わるということでもある。
プロでも難しい強みの整理起業する人は、自らの体験や知識が、誰かの役に立つと考えている。自分の「得意」は、誰かの「苦手」でもあり、そのエッセンスが大いに役立つことがある。
弁護士であれば「文章のみでの伝え方」は秀逸だろうし、アパレルの販売員であれば「好印象を与えるファッション」については熟知しているだろう。片付けや、捨てることも、整理整頓も、それを欲している人がいれば技術だといえる。
起業の際には、自分自身のたな卸しが必要になる。今までの人生経験の強みや弱みなど、様々な出来事を精査する必要性がある。しかし自分でたな卸しをして卓越した事業を構想することは簡単ではない。
さらに、「自分自身が考えている強み」は客観性にとぼしいので、他者と一線を画するほどのオリジナリティに溢れていることは少ない。専門家にヒアリングなどをしてもらい、充分に戦略を練ることも必要なのだろう。
その上で、自分の才能をしっかり理解し、お客様の本当の目的を見極め、スキルと組み合わせることが大切である。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)