また、サッカーのプレミアリーグからは米歌手テイラー・スウィフトのコンサートのチケット4枚をもらっていました。4000ポンド(約77万円)相当だそうです。さらに、サッカーの試合ではアーセナル・ファンのスターマー氏に特別席のチケットが提供されていました。「自分は立ち席でもよいが、国民の税金を使って警備費を負担することになる」ので、特別席で観戦したと同氏は説明しています。

米国での休暇代も

その後の調べで、副党首アンジェラ・レイナー氏がアリ卿からの献金で米国で休暇を取ったり、洋服を購入していたことや、リーブス財務相も別の献金者から衣料費などの支援を得ていたことが分かりました。労働党側は「全て合法だった」と弁明しました。

でも、年金生活者への暖房費補助金の支払いを大幅に削減する一方で、高額給与をもらっている首相や閣僚たちが眼鏡、洋服、観戦チケット、休暇などを無料で得るというのでは、有権者は納得がいきませんよね。

首相となれば国際舞台に英国の代表として出る場合もありますし、国賓を迎える機会もあるでしょう。そんなときには官邸や省庁の予算を使えばいいのでは?と思いますが、衣料費は高額になりがちで、過去の首相夫人らも苦労していたようです。

ゴードン・ブラウン元首相のセーラ夫人は購買価格の10パーセントを払ってデザイナーズ・ブランドをレンタルで利用したと自著に書いています。9月末になって、ようやくスターマー首相も主要閣僚も今後は衣料費の寄付を受けないことにしたと述べました。

補佐官の給与が首相よりも高額だった

一方、9月中旬には首相の首席補佐官が「首相よりも高い給与をもらっている」とBBCが報道します。首相の給与は16万6788ポンド(約3212万円)ですが、この補佐官の給与はこれよりも3000ポンド(約57万円)多いそうです。高額給与の官僚が政権を牛耳っている印象を与え、同時に内部情報をリークされた首相の指導力にも疑問の目が向けられました。