その中で、ディープフェイクを見分けるために特に効果的だったのが、ジニ係数を用いた光の分布の分析だったそうです。

ジニ係数の値は0~1の間を取り、「値0では、光が画像のすべてのピクセルに均等に分散されている銀河」を示し、「値1では、すべての光が1つのピクセルに集中している銀河」を示します。

そして、この光の分布の分析が、フェイク画像に登場する人物の「目の光の不自然さ」を明らかにしてくれるというのです。

目の光の左右差が本物かディープフェイクかを教える

研究チームによると、銀河画像の光の分布を分析する技術を用いることで、本物の画像とディープフェイクを見分けることができるようです。

注目するポイントは、人物の目の光です。

本物の画像。左右の目で、反射する光の分布が同じ
本物の画像。左右の目で、反射する光の分布が同じ / Credit:Adejumoke Owolabi_Want to spot a deepfake? Look for the stars in their eyes(2024 Royal Astronomical Society)

本物の画像では、右目と左目に反射する光の形や分布が同じになります。

両目とも同じ光源の前にいるのだから、反射する光のパターンも同じになるのは当然のことです。

しかし、ディープフェイクでは、この単純な要素が考慮されていません。

そのため、一見違和感がないように思えても、検出ツールを使って左右の目の光を比べると、光の分布が異なっているのが分かります。

ディープフェイクの画像。左右の目で、反射する光の分布が異なる
ディープフェイクの画像。左右の目で、反射する光の分布が異なる / Credit:Adejumoke Owolabi_Want to spot a deepfake? Look for the stars in their eyes(2024 Royal Astronomical Society)

ピンブレット氏も、「眼球における光の反射は、本物では一致しているが、偽物では物理学の観点で不正確です」と述べています。