最近では、AIを用いて簡単に偽画像や偽動画を作成することができます。
ネット上に溢れるそれらディープフェイクは本物の映像にしか見えないため、「どのようにディープフェイクを見分けるのか」という課題があります。
そんな中で、「天文学」という異なる分野から、ディープフェイクを見分ける方法が発見されました。
イギリスのハル大学(University of Hull)に所属する天体物理学者ケビン・ピンブレット氏ら研究チームが、銀河の画像を分析する方法を使って、フェイク画像の人物の目には、ある特徴が存在することを発見したのです。
研究の詳細は、天文学会議「National Astronomy Meeting 2024」で発表され、王立天文学会(RAS)の2024年7月17日付の『ニュース』に掲載されました。
目次
- 「銀河画像の光の分布を分析する技術」が偽画像の検出に役立つ
- 目の光の左右差が本物かディープフェイクかを教える
「銀河画像の光の分布を分析する技術」が偽画像の検出に役立つ
ディープフェイクとは、AIを応用した画像・映像合成技術のことであり、2つの画像や動画を組み合わせることで、まるで本物のような偽画像や偽動画を作成することができます。
そして最近では、ディープフェイクを利用して著名人の信頼性を落としたり、詐欺を行ったりするなど、様々な場面で悪用されています。
例えば2023年には、元アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏が逮捕されるディープフェイク画像が出回りました。
ネットは既にディープフェイク画像で溢れており、それらを本物の画像と見分ける方法が必要とされています。
今回、天文物理学者のピンブレット氏ら研究チームは、ディープフェイクを見分ける方法に「星を見る技術」が使えることを発見しました。
彼によると、銀河の形状の測定では、「濃度」「対称性」「光の分布」などを分析するようです。