目次
ライバルと同時期モデルチェンジ、大きくても軽くなったものの…
ライバルと同時期モデルチェンジ、大きくても軽くなったものの…
RVブーム以前に「デートカー」として人気だったスペシャリティクーペというジャンルでは、王者ホンダ プレリュードが3代目の時に5代目日産 シルビア(S13)が1988年に蹴落としという構図で知られていますが、ひっそりと人気だったのがトヨタのセリカです。
4代目T160系からフルタイム4WDの初代ST165型セリカGT-FOURを追加、5代目T180系ベースの2代目ST185型ではWRC(世界ラリー選手権)でドライバー、マニュファクチャラーズ(メーカー)のWタイトルを取るなど大活躍しています。
しかし1993年、ライバルのFRクーペ、6代目S14型シルビアと同年にモデルチェンジした6代目T200系セリカは、ライバル同様に大型の3ナンバーボディとなっており、実際には数十kgの軽量化を達成していたのに、「太って鈍重なイメージ」がつきました。
1989年の税制改正で自動車税が安くなったにも関わらず、まだ贅沢品というイメージが残る3ナンバー車ではバブル崩壊後に始まっていた大不況や、価値観の多様化で旧来のセダンやクーペを駆逐しつつあったRVブームの中で、かつての人気は見る影もありません。
1994年2月にちょっと遅れてデビューした3代目セリカGT-FOUR(ST205型)も同様で、エレガントな流面形デザインに4つ目ヘッドライトの中央には冷却風を取り入れる大きなフロントグリルによる迫力あるフロントマスクも、人気回復の決め手になりませんでした。