民主主義国では選挙で過半数を獲得できる政党はもはや少なくなった。だから、選挙後、3党、4党の多党から成る連立政権が生まれてくるケ-スが増えてきた。安定政権を組閣するためにはどうしても政治信条の異なる寄せ集めの政権となりやすい。

その意味で、ブルガリアの政情が特別、異常とはいえないが、長期安定政権の不在、政治的膠着状況が続くようだと、名誉職的な立場のラデフ大統領の政治的権限が強まり、「議会制共和国」から「大統領制国家」への移行が現実味なアジェンダとなってくる。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年10月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。