黒坂岳央です。

「思考停止」という言葉がある。何かを見聞きした瞬間にそれ以降考えることをやめてしまう、ということだ。

たとえば旅行や食事ではレビュー頼みで決めてしまい、自分の頭では一切考えないような思考行動があげられる。実際、そのレビューはお金の力で買われているだけでまんまとミスリードされていることも多いというのに。

一方で思考停止しない人は、思考を横と縦の両方に掘る力を持っている。持論を展開したい。

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思考を縦に掘る

さて、思考を縦に掘るとはどういうことか?一言でいうと、「なぜ?」をひたすら繰り返すことだ。これは「思考の深さ」と表現できる。

たとえば職場の上司から仕事について叱られたとする。思考停止してしまう人は叱られた理由を「ストレス解消に怒りやすい自分を叱った」とか「怒りっぽいから」とすぐに湧き上がる結論に結びつける。これでは何も発展性がなく、叱られてしまう根本理由を解決していないので将来的に何度も同じ状況になる。そうではなく、なぜ?を何度も繰り返すのだ。

なぜ? 部長が叱った理由は仕事で仕上げでチェックを怠ったからだ。
なぜ? 仕上げの仕事でチェックを疎かにしたのは気の緩みから?
なぜ? 違うよく考えればむしろ仕上げの重要性を理解していないからだ。
なぜ? 自分の役割として、仕事の成果物のフィードバックを受けないのためその品質に目を向けることがなかった。
なるほど、部長は私の作った成果物を第3者に評価される立場で、信用を揺るがす問題としてあれだけ怒ったのだ。相手の立場で考える視点が抜け落ちていたので、今後は特に成果物は慎重に確認をしよう。

なぜなぜ?と思考を縦に掘っていけば、問題の本質や改善策が見えてくる。課題や問題は根本理由が分かっていなければ、同じミスを繰り返してしまう。そのため、一度ミスをしてしまったら再発防止のためになぜ?を繰り返して完全に解決してしまう方が良い。