バブーシュカ・レディの謎:ケネディ大統領暗殺の瞬間を捉えた証拠
謎めいた女性バブーシュカ・レディは、おそらく年配の女性であろうと言われているが、その風貌についてはさまざまな説がある。例えば彼女のファッションの中でも特徴的な頭のスカーフだが、これは雨避けだったのではないかと言われている。この日は朝から雨が降っていたため、ディーレイ・プラザでは頭にスカーフを巻いている女性が複数いたそうだ。しかし、雨は午前10時には止んでおり、事件が発生した12時半には服も体も乾いていたものと考えられるため、雨避けではなかったとする説もある。彼女が撮影していた動画が世に出回っていないのは、カメラではなく双眼鏡を持っていたからだという説もある。いずれにせよ、彼女は事件を目の当たりにした他の人々と違って、自分が見たものを警察に証言することがなかったため、彼女の身元(そして彼女が知っているかもしれない事実)は謎のままになっているのだ。
そんな訳で、謎のバブーシュカ・レディの正体についてはロシアのスパイ説、カメラ銃を持った暗殺者説、シークレットサービス説、老女に扮した男説(例えば、前述のムックモア・フィルムに見られる彼女の目立つ姿勢は1960年代のドレスを着た女性には珍しいと思われる)などがあるが、どれも決定打には欠けるため結論は出ていない。
さて、ケネディ大統領暗殺から7年後の1970年、バーレスク・クラブの元ダンサーで歌手のビバリー・オリバーが「自分こそがあのバブーシュカ・レディである」と名乗るようになった。オリバーは当時自分が持っていたヤシカのスーパー8カメラで暗殺を撮影したが、後に2人のFBI捜査官によってフィルムごとカメラを奪われたと主張した。またオリバーは、ダラスの実業家でオズワルドを射殺した人物であるジャック・ルビーと知り合いだとも言い、ジャック・ルビーにオズワルド共々CIAのメンバーだと告げられたとも語っていた。
しかし、オリバーの話には重大な問題があるため現在では否定されている。事件が発生した1963年当時、彼女はまだ17歳であり細身だったため、映像に登場するバブーシュカ・レディの背格好とかなりの食い違いがあった。さらに、彼女が持参したというヤシカのスーパー8カメラは1960年代半ばまで生産されていなかった。オリバーは「あのカメラは一般に販売される前に入手した試作品だった」と反論しているが、いくつかの主張は撤回もしているため、今では彼女の説を信じる人がほとんどいない。
ケネディ大統領暗殺とバブーシュカ・レディ:未解決の陰謀論
歴史的事件の側に居合わせ、歴史の中に消えたバブーシュカ・レディの正体が明らかになる日は来るのだろうか。彼女の存在は、ケネディ大統領暗殺事件の謎を深める一要素となっている。カメラを持っていたにもかかわらず映像が公開されていないこと、事件後に姿を消したこと、そして冷静な態度を取っていたことなど、多くの疑問が残されたままだ。半世紀以上が経過した今でも、バブーシュカ・レディーの謎は解明されておらず、ケネディ暗殺をめぐる陰謀論の一部として、今も多くの人々の関心を集め続けている。
参考:「MENTAL FLOSS」、ほか
※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。
【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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