さらに、ここ10年ほどでハリウッドの白人優位に対する批判が高まり、少数民族や女性のアカデミー会員が増えるなど、大きな変革が進んできました。その結果、「パラサイト」や「イカゲーム」、さらには「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」といったアジア系作品が評価され、アカデミー賞やエミー賞を受賞するまでに至りました。(中国や韓国に比べて日本は出遅れたという声もあった。だから今回の快挙はさらなる意味をもつ)
この流れに対して、保守的な勢力やトランプ氏などは「左翼化」や「リベラル化」の行き過ぎとして強く批判していますが、その中でも「ショウグン」は真田氏や千葉氏が追求してきた「正統性」が高く評価され、数々の賞を受賞する結果となりました。いまや天国の千葉真一氏も、この成功をきっと喜んでいることでしょう。
また、主演女優賞を受賞したアンナ・サワイ氏についても触れておきたい。彼女は「日本人初」として報道されていますが、実際には日本国籍を持っているかどうかは確認されておらず、彼女自身は日系ニュージーランド人、つまり「キウイ」として認識されています。キウイはあのビタミンC豊富の果物や、翼が退化して飛べない鳥だけではなく誇り高いニュージーランド人を意味します。サワイ氏はニュージーランドで生まれ、香港などを転々とした後、日本で芸能活動をスタートさせた。彼女の歩みは、まさに国境を超えた活躍を象徴するものです。
父親は電気関係の仕事で海外を飛び回った。その関係もあり、サワイ氏は10歳くらいから日本の横浜に住み始める。ピア二ストの母親の影響もあり、芸能関係の仕事を始めた。その時の体験を彼女は米国メデイアで話をした。
この「ハリウッド・レポータ―」は、30年くらい前に訪問取材したが、非常に信頼できる地元メデイアです。