チョコザップ店舗運営の不安
店舗運営にも不安がある。
ランドリー、セルフフォト、カラオケ、そしてドリンクバー。チョコザップは、従来から提供していた付随サービスを、さらに拡充させようとしている。
これらは、チョコザップの掲げる「体も心も健康になれる、スマートライフジム」の追求、というよりも、離脱者引き留めの意味合いが強い。
そもそも、運動というのは続けにくいものだ。
チョコザップは「1日5分」で、健康的で理想の体を手に入れることができるという。だが、「健康」はわかりにくい。痩せる・筋肉が付くなど、わかりやすい変化がなければ、モチベーションが上がらない。効果が感じられない会員たちは、チョコザップに飽き、やがて退会していく。矢継ぎ早に新サービスを追加しているのは、退会を防ぐためだ。
しかし、新サービスの追加は諸刃の剣でもある。
狭くなるチョコザップチョコザップは、狭くなりつつあるからだ。
会員数と店舗数を見てみよう。
22年9月から20ヶ月間で、会員数は、6万4千人から120万人へと「約19倍」に、店舗数は134店から1500店へと「約11倍」に増えた。会員数の増加に比べ、店舗数の増加が少ない。結果、1店舗あたりの人数は「478人」から「800人」となり、急激に人口密度が高まっている。
次に、面積当たりの会員数を見てみよう。
エニタイムの店舗当たり平均会員数は850人と、チョコザップとほぼ同じ。だが店舗平均面積は80坪と、チョコザップの30坪(標準タイプ ※3)の倍以上だ。1坪あたりの会員数は、エニタイム「10.6人」に対し、チョコザップ「26.7人」。チョコザップは、かなり窮屈な状態にあると思われる。
この狭い店舗に、新サービス「ランドリー、セルフフォト、カラオケ、ドリンクバー」の機材が設置される。さらに窮屈になるわけだ。
これ以上トレーニングエリアが狭くなれば、ジム目的の会員は退会していくだろう。安価かつ着替え不要・靴履き替え不要の競合ジムも出現している。チョコザップよりマシンが充実している自治体のトレーニングルームもある。「ジム」としてのチョコザップは、決して安泰ではない。
また、新サービスはコスト増加要因ともなる。
現在、チョコザップの店舗清掃は「フレンドリー会員」が行っている。
フレンドリー会員とは、会員に月4回(~8回)店舗を掃除してもらい、その代償として月会費から1000円(~2000円)を割り引く制度だ。労働ではなく、あくまで「お手伝い」という位置づけだという。
一緒にchocoZAPを盛りあげたいというお客様を「フレンドリー会員」として認定させていただき、一緒に店舗運営のお手伝いをしていただく制度です。
フレンドリー会員とは何ですか? |よくあるご質問|chocoZAP(チョコザップ)|ライザップが作ったコンビニジム
ランドリーやカラオケ・ドリンクバーなどの機器清掃・メンテナンスを、「フレンドリー会員」で賄うことは到底できまい。専門業者が必要だ。コストは格段に跳ね上がる。