ただし、『本来は無効であるべき票があることで選挙の結果に影響が出た』という事が認定できるならば、選挙無効確認訴訟で無効にできる可能性はあるでしょう。

(選挙の無効の決定、裁決又は判決) 第二百五条 選挙の効力に関し異議の申出、審査の申立て又は訴訟の提起があつた場合において、選挙の規定に違反することがあるときは選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限り、当該選挙管理委員会又は裁判所は、その選挙の全部又は一部の無効を決定し、裁決し又は判決しなければならない。

いわゆる「一票の格差」訴訟と異なり、この場合は選挙区割の再編などの必要が無く、当該選挙区内で完結する話であるため、「違憲状態」という曖昧な判決ではなく、即座に違憲⇒無効の効力が生ずるはずです。

選挙人以外の者による投票は刑事罰、しかし宮古島のケースは…?

公職選挙法

(詐偽投票及び投票偽造、増減罪) 第二百三十七条 選挙人でない者が投票をしたときは、一年以下の禁錮こ又は三十万円以下の罰金に処する。 2 氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票し又は投票しようとした者は、二年以下の禁錮こ又は三十万円以下の罰金に処する。

公職選挙法では、「選挙人でない者が投票をしたとき」には刑事罰に処すると記載があります。宮古島市のケースも、まさに字面の上では「選挙人でない者が投票をした」ので、この構成要件には該当します。

しかし、日本国民が自らが居住する自治体で住民票も移している場合に、選挙管理委員会の者に確認をした上で投票をしたというケース(しかも今般の衆院選では投票所入場券の行政から各戸への送付が遅れたケースも見られた)では、故意が無いと判断されると思われます。なお、神奈川県綾瀬市のケースは外国籍者が訪れたケースなので、故意を認定しないとおかしいです。

それにしても、このようなケース、今回たまたま発覚しただけで、他にも複数発生しているのでは?と疑念を抱かずにはいられません。

常識を身に着けた者によるチェック体制を敷いていただきたいものです。

編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年10月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。