自己中心的な人は、他人の感情やニーズよりも自分の感情や欲望を優先する傾向があります。
また他人からの承認や称賛を求めることが多く、自己顕示欲が強い傾向もあります。
だからこそ彼らは、自分を誇示したり、他人からの称賛や「いいね」を求めたりするために、ソーシャルメディアを使用すると考えられてきました。
しかし今回、ロバーツ氏ら研究チームは、そうした従来の考えに疑問を抱き、真実を見極めようとしました。
人々がソーシャルメディアを使用する理由は承認欲求だけではないからです。
「FOMO(Fear of Missing Out)」と呼ばれる「疎外感」や「取り残されることへの恐れ」もまた、ソーシャルメディアへの依存を高める要素の1つです。
このFOMOとは、他の人が楽しんでいたり、価値のある経験をしたりすることを「自分が見逃している」という不安や焦燥感を指します。
ソーシャルメディアでは、他人の生活やハイライト、楽しそうな瞬間が映し出されます。
また「大きなニュース」も報道され、瞬時に拡散されます。
一部の人々は、「他人がやっていることと絶え間なく繋がっていたい」「取り残されたくない」という欲求から、ソーシャルメディアを利用するわけです。
そこでロバーツ氏ら研究チームは、いくつかの実験により、自己中心的な人がソーシャルメディアを使用する本当の理由が、疎外感(FOMO)にあるのか、それとも承認欲求にあるのか明らかにすることにしました。
自己中心的な人は疎外感の緩和を求めてソーシャルメディアを使う
研究チームは、最初の調査で、199人のアメリカ人(成人)を対象に、自己中心性、FOMO、ソーシャルメディアの使用状況について、それぞれ質問票を用いて評価しました。
その結果、自己中心的な人がソーシャルメディアの使用時間を増加させるのは、承認欲求を満たすよりも、疎外感を緩和させるためだったと分かりました。