コロンビアが右派政権だった2018年には6万ヘクタールのコカの栽培面積を政府は駆除した。2019年には9万4000ヘクタール、2020年には13万ヘクタールまで栽培面積を減少させて行った。
ところが、2021年は前年よりも少なく10万3000ヘクタールの駆除。2022年になると、ペトロ大統領が6月に就任したこともあって、駆除された栽培面積は僅か6万8000ヘクタールまで減少。その理由は栽培面積の少ない農家を保護する方向に向かい、駆除するのは麻薬組織の為に量産している栽培地に絞ったからだ。(2024年6月11日付「エル・ヌエボ・シグロ」から引用)。
このような現状を観た米国議会はコロンビアへの支援金の削減を米政府に要求。今年の支援金は4億1000万ドルであるが、ペトロ大統領への信頼は完全に薄れ、来年はその半額の2億800万ドルとしたのである。
政府の財政事情も悪化更に、左派政権になってからコロンビアの財政事情も急激に悪化している。ペトロ政権になってから財政支出のコントールが緩和になり、議員らによる多額の汚職も目立つようになっている。また官僚は財政危機のある中で給与を挙げたりもしている。
元々、右派政権が長年続いて来たコロンビアだ。左派系の人物が大統領に成ったが、彼の議会での影響力は低く、行政組織のコントロールができないでいる。それが財政の支出を煽っているということだ。政府の資金不足から病院や私立大学では必要な資金を賄うことができず、解雇も目立つようになっている。
その一方で、コカの輸出は2022年には182億ドルまで達し、原油の輸出額191億ドルに迫っているという皮肉な現象も左派政権で起きている。(6月11日付「パナムポスト」から引用)。