COLOMBIA, PETRO, MENOS APOYO DESDE EEUU.25-10-2024.

初めての左派系大統領誕生による弊害

南米のコロンビアは長年右派政権が続いていた。ところが、長年の社会的不平等は一向に解決を見ることがなく、貧困者は人口5100万人の40%を占めるまでになっていた。

これまでの右派政権の取り組みが十分でないとして、遂に2019年に若者が中心となって抗議デモが発生。それが引き金となって、2022年に初めて左派系の大統領が選ばれた。

彼の名前はグスタボ・ペトロ。彼は既に消滅しているゲリラ組織M19のメンバーであった。議員としての経験はボゴタの市長そして上院議員を務めた経歴をもっている。しかし、彼の根本的な思想は社会主義だ。それは右派が支配するコロンビアでは容易に受け入れられない。

元ゲリラ兵で社会主義者が大統領になったということで、米国政府は今後の両国の関係に強い懸念を表明していた。特に、コロンビアは米国が南米で最も信頼を寄せている国で、南米における米国の航空母艦と評されている国である。

その信頼関係からコロンビアはこれまで米国から購入する武器は常に新品の物が調達できるようになっている。一方、米国の信頼が足りない国は米国から新しい武器は購入できず、常に中古品を買わされることになっている。

米国からのコカ撲滅の支援金が半分に

米国のペトロ大統領への懸念は昨年から表明されていた。米国がコロンビアに対して支援金をこれまで提供して来たのも、コロンビアはコカ生産量では最大の国であり、その被害を最も受けているのは米国だからだ。コロンビア政府に資金を提供してコカの生産量を減らしてもらうといういうのが狙いだ。これを長年実施して来た。

ところが、ペトロ大統領の米国に協力する姿勢に積極性が欠け、これまで犬猿の中にあった隣国のベネズエラとの関係を強化している。

ベネズエラは政府自体が麻薬組織化しており、軍人らによってカルテル・デ・ソレスという麻薬組織も構成されている。彼らは麻薬生産国から麻薬を買い付けて、それを主に米国に密輸している。だから、コロンビアのコカもカルテル・デ・ソレスにとっては重要な供給元になっている。