実際のトレーニング内容は、週2回の全身法(レッグプレス、ニーエクステンション、ベンチプレス、バイセップスカール、シーテッドロー)で、合計30週間の実験期間中、定期的に筋力や筋肉のサイズを測定しました。
さて、10週間の中断期間を経て再開したグループは、20週間続けたグループと同じように筋肉が成長したのでしょうか?
マッスルメモリー効果
早速主な結果を見ると、筋力、筋肉のサイズともに、最終的なトレーニング効果に両グループ間に有意差は見られず、どちらのグループも同じくらいの成長を遂げていました。
この結果は、20週間連続で実施する(継続実施群)のと、10週間実施して10週間休んで再度10週間実施する(断続実施群)との間で、トレーニング効果が変わらないことを示しています。
研究グループは、この結果が次の理由から重要な知見だと指摘しています。
筋トレの中断は、休暇や旅行、モチベーションの低下など、さまざまな要因によって起こることがあります。
実際、数年前の新型コロナウイルスの流行時には、ジムでのトレーニングが制限され、多くの人が筋トレを中断せざるを得ない状況にありました。
トレーニングの継続は確かに重要ですが、今回の研究結果は、トレーニングが再開される限り、年に一度、10週間といったような中断も、さほど心配する必要がないことを示しています。
ちなみに、断続実施群は最初の10週間で得られた効果を中断期間後に多少失っていたものの、実験開始時よりは成長した状態を維持しており、トレーニング再開5週間後には大幅に回復していたことも判明しています。
この結果は、「マッスルメモリー」と呼ばれる現象で、一度トレーニングを行った筋肉は、中断期間を挟んでもトレーニングの記憶を保持しており、再開後にすぐに成果を得やすいことを示しています。
さて、以前の記事では、完全にやめてしまうよりは、半月に1回でも運動を続けることが大切だと述べました。