■1900年代初頭のアメリカで誕生

「安全第一」という考え方は1900年代初頭のアメリカで生まれたという。1800年代後半から始まった第2次産業革命の真っ只中にあった当時のアメリカの工場では、「生産第一・品質第二・安全第三」が合言葉であった。

安全性よりも生産性が重視され、労働災害も多かったことから、アメリカの大手鉄鋼会社であるUSスチール社の社長が、工場の経営方針を「安全第一、品質第二、生産第三」と改めたことがその始まりだと言われている。

USスチール社は労働者を守るため「安全第一」に方針を変えたことで、労働災害が減少しただけでなく、作業効率が向上して品質や生産性も向上していった。そんな同社の様子を見てほかの工場も取り入れ、「安全第一」はアメリカ全土へと広がっていったという。