今もっとも勢いに乗る人気の焼肉チェーン「焼肉きんぐ」をめぐって、SNS上では一部の利用客から「とろろご飯が注文から50分後に届いた」「黒烏龍茶は最後まで来ないままだった」「店員さんを呼んだら20分間誰も来ない」「レジで注文した品が来てないことを伝えたら『大丈夫ですか?』だけ」などといった投稿がなされ、話題を呼んでいる。オペレーション管理や店員教育がしっかりされていると考えられる大手チェーンで、なぜ、このような事態が生じるのか。昨今の外食業界の人手不足が影響している可能性はあるのか。専門家、そして「焼肉きんぐ」運営会社の見解を交えて追ってみたい。
国内で約300店舗を展開する「焼肉きんぐ」は、店舗数ベースでは約600店舗を展開する牛角に次いで2位。焼肉に加えてバラエティ豊富なサイドメニューをそろえた食べ放題コースが人気を集め、「きんぐコース」は100分食べ放題、小学生は半額、幼児は無料で3608円。「焼肉きんぐ 五大名物」の「厚切り上ロース〜ガリバタ醤油〜」「壺漬けドラゴンハラミ」「きんぐカルビ」「炙りすき焼カルビ」「ねぎポンで食べる大判サーロイン」などのほか、「ひとくち冷麺」「石焼ビビンバ」「熱々!石焼ガリバタライス」「とろ~りチーズの石焼キーマカレー」といったご飯・麺類、各種スイーツや子ども向けメニューなどが充実している。
運営会社の物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」のほか、「丸源ラーメン」「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」なども運営。業績は好調で、24年6月期の売上高は前期比16.1%増の1072億円、営業利益は13.3%増の82億円、当期純利益は20.1%増の56億円と増収増益となっている。
そんな「焼肉きんぐ」をめぐって冒頭の体験談がX(旧Twitter)上にポストされ注目されているが、これを受け、似たような体験をしたというポストが相次いでいる。
「一部の店舗では必要な人員の確保が十分に行えていない状況」
そこで、物語コーポレーションに聞いた。
「このたびは、商品提供および対応の遅延により お客様にご不便をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。ご指摘いただいた点につきましては、当社として既に認識しており、大変申し訳なく感じております。主要な原因として、予測を上回る多くのお客様にご来店いただいていることに加え、一部の店舗では必要な人員の確保が十分に行えていない状況が挙げられます。
現在、こうした問題を解決するため、人員の採用強化、教育体制の充実、および従業員の定着を促進するための取り組みをさらに強化しております。お客様にご満足いただけるサービスの提供を目指し、今後も改善に努めてまいります。何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます」