大学進学のメリット薄まる?
総合型・推薦型での入学者の増加を受け、大学に進学するということの意義・価値が低下したという指摘もみられるが、実際にそのような側面はあるのか。
「大学進学の価値に対する疑問視は、いわゆる『今どきの若い者は』論と同じです。総合型選抜・学校推薦型選抜が簡単に入れる、とのイメージから疑問視がネットではよく見受けられます。実際は、企業が面接で『一般選抜か総合型選抜・学校推薦型選抜か、どちらで入学したのか?』などと質問することはありません。企業からすれば、売り手市場でそんな質問をする余裕などありませんし、学力を見るなら適性検査を課せばいいからです。
それと、総合型選抜・学校推薦型選抜といっても、学力テストを課すものもありますし、中堅大・中堅以下の私大でも面接で口頭試問を入れるようになっています。2025年度から東洋大学が総合型選抜で学力テストを課す・併願可能なものを始めます。これにより、学力シフトの総合型選抜も今後、一定数を占めるものと思われます」
では、将来的な就職やキャリア形成の面で、大学に進学するということが必ずしもメリットが大きいことではなくなっているといえるのか。
「これも先の質問と同じです。大学進学に価値がない、ということであれば高卒就職で十分なはずです。実際は、高卒就職の割合は1990年35.2%が2023年は14.2%と激減。大学進学率は36.3%→57.7%と大幅に増加しています。このデータから、『大学進学にメリットがない』との論は俗論にすぎず、現実とは大きくかい離することを示しています」
(文=Business Journal編集部、協力=石渡嶺司/大学ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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