ここで毎月の生活費と開業期間からトータルの生活費を計算します。6ヶ月分の生活費の計算は、30万円×6ヶ月で180万円となります。そして必要な備品代が20万円として、合計200万円……と考えるのは失敗の元です。
多くの出版物などではこの開業準備金を「生活費」を基準に考えることが多いようですが、これは「給料をもらうことなく、ただ生活するためだけの資金」です。つまり、販促費などの「ビジネスのために使うお金」が入っていないのです。
月々の生活費に「販促費」(ここでは純粋な広告費のほかに、人脈作りのために交流会に参加するなど全般的な販促活動にかかるお金を含みます)を加えた金額をもって算出しないと、ただじっと指をくわえてお金がなくなるのを待つだけになってしまいます。
では、月の販促費はいくらと考えればよいのでしょうか。
私が考える営業手法では、人に会うこととネット営業が基本になるので最低でも10万円、できれば15万円くらいは販促費予算として組みたいところです。
これを先ほどの生活費のケースに当てはめて考えると、(30万円+10万円)×6ヶ月となり、240万円。そして備品代を加算すると260万円ということになります。
「販促費に月10万円もかけなければ仕事が取れないのか」と思われる方もいるかもしれませんが、販促費がない場合は足で稼ぐしかなくなってしまいます。私自身もお金がない状態から仕事を取りましたが、広告費を使って仕事を取ることに比べれば非効率です。ですから、せっかく開業資金を準備する機会があるのなら、販促費を含めた資金を準備したいところです。
ところで、開業資金を自己資金だけでまかなうか、お金を借りるかという問題もあると思いますが、おそらく先ほど紹介した金額は予想していた金額よりも多かったのではないでしょうか。
開業前に給料から積み立てておくのがスタンダードで大きなリスクもありませんが、反面時間がかかりすぎるというデメリットもあります。何年も待てないという方は、借金について見識を深め、借りるということも検討してみてください。
お金を使う習慣を変えよう