ここまでの一連の検査が終わった後、大体6時間以上の時間を空けた後、再び同じ手順を繰り返します。
そして脳を含む身体機能がまったくの無反応であることが確認されれば、「脳死」と判定されるのです。
報道によると、フーバーさんの場合はこれらの項目がすべて確認できたので、医師が「脳死」と診断したといいます。
その後、フーバーさんが生前にドナーとして自らの臓器提供に承諾していたことから、家族の同意のもと、心臓の摘出手術が準備されることになったのです。
ところが摘出手術の直前に、誰もが予想していなかった出来事が起こりました。
間一髪!心臓を取り出す直前に目を覚ます
フーバーさんの体は臓器摘出のため手術室に運ばれていきました。
しかしその際に付き添っていた姉のドナ・ローラーさんによると、弟が少し目を開けて辺りを見回したような気がしたといいます。
そのことを医師に伝えると「体の一時的な反射だろう」として片付けられたという。
もしかしたらフーバーさんはこの時にはすでに目覚めかけていたのかもしれません。
その後、フーバーさんは心臓が移植に適しているかどうかを評価するため、心臓カテーテル検査を受けました。
これは細いプラスチック製の管(カテーテル)を動脈ないしは静脈内に挿入し、血管を通して心臓に到達させ、心臓内の圧力を測定したり、冠動脈(心臓に血液を運んで酸素や栄養を与える血管)や心臓の血行状態を調べるものです。
ところがフーバーさんはこのカテーテル検査を受けていた最中に、唐突に目を覚ましたのです。
処置をしていた医療スタッフによると「彼は突然目を覚まして、ベッドの上でバタバタと動き回り、涙を流していました」と話します。
これはもう反射で片付けられるものではありませんでした。
医師チームは直ちに心臓の摘出手術を中止し、フーバーさんを治療室へと戻しています。
ただこの出来事はフーバーさんとその家族だけではなく、医療スタッフにも大変なショックを与えたようで、そのうちの一人は「もうダメだ、私は関わりたくない」とかなりの動揺を示したといいます。