ですが英国と我が国では状況が全く違います。欧州域内の移動はいまや国内移動と大差ないです。移動は隣の県にいくようなものです。ですから域内の各国が免税があれば失う顧客もいるでしょうが、我が国の場合は周囲にそのような国がない。

そして付加価値税も欧州では20パーセントあるいはそれ以上ですが、我が国では半分の10パーセントに過ぎない。これも大きな違いです。

更に観光客の多くは日本製のものを買って帰りたい。であれば、安さだけが問題になるわけではないでしょう。更に申せばタバコにしても他国よりも相当安いので、免税で買い漁るメリットはたいしてないでしょう。

それに一点ものであれば日本に買いに来るしかない。例えばオタクのコレクター向けの商品などは他国では中古含めても手に入りにくいし、入手できても遥かに高価です。高級時計の中古にしても、日本で買えば偽物はないという安心があります。

そして円安や低インフレもあって、他国よりも物価が相当やすいです。滞在費も、飲食費も桁違いにやすい。

これらの環境を鑑みて、なおかつご案内のように少子高齢化が進む中で貴重な労働力を免税以外の「実業」や更に付加価値の高いビジネスで雇用すべきでしょう。

少なくとも免税をなくした場合、それによって増加する消費税収、免税廃止による買い控えを精査してどちらが、より税収が高いか、また免税廃止による、余剰人員がどの程度でるのかということを精査すべきです。