時間と人間の関係:宇宙空間での生活を見据えて
シフレは、その後も、老化が時間感覚に与える影響などを調べるため、1972年にも再び地下での実験に挑んでいる。
1962年の実験当時、世界はキューバ危機やユーリ・ガガーリンの宇宙飛行など、緊張と興奮に包まれていた。冷戦の真っただ中、核シェルターへの関心が高まる一方で、宇宙空間における人間の睡眠サイクルについては、ほとんど知られていなかった。
アメリカとソ連が宇宙開発競争を繰り広げ、フランスも原子力潜水艦計画を進める中、シフレの研究は、極限環境における人間の適応能力を探る上で、重要な意味を持つようになったのだ。
晩年のシフレは、2000年のミレニアムを記念して、再びフランス南部の洞窟で2ヶ月間を過ごした。77歳で宇宙に旅立ったジョン・グレンに触発されたという。
時間とは何か? それは宇宙の真理の一つでありながら、人間にとっては未だ解明されていない謎である。シフレは、2024年8月25日、85年の生涯を閉じた。彼は、時間生物学という新たな研究分野を切り開き、人間の時間感覚の謎に挑み続けた先駆者として、歴史に名を刻んだ。
もしかしたら我々は「時間」という概念に知らず知らずのうちに囚われているのかもしれない。
提供元・TOCANA
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