世の発明家たちは想像力を駆使し、思いつく限りのあらゆるものを特許取得しようと試みる。そして、そうした特許取得済みの装置の中には、我々の現実世界に登場した時、驚きと不安を与えるものも少なくない。

 2004年12月20日、ある人物が奇妙な特許を取得した。それは、従来の物理学の常識を覆すような、三角形の宇宙船の設計図だったのだ―――。

物理法則を無視する? 三角形宇宙船の謎

 特許によると、この宇宙船は、各頂点に垂直方向の直線状静電荷を発生させることで、水平方向の電界を生成するという。そして、この電界と船体の側面にあるアンテナから放射される平面波を組み合わせることで、推進力と揚力を同時に生み出すことができるというのだ。

 特許を取得した「ある人物」とは、ジョン・クインシー・セントクレアと名乗る謎の人物である。奇妙なことにセントクレアは、1960年代に「シオン修道会」という秘密結社の末裔を名乗り、世間を騒がせたピエール・プランタールが使っていた偽名と同じだった。

 しかし、調査の結果、ジョン・クインシー・セントクレアは実在の人物であり、プエルトリコのサンファンに住んでいたことが判明した。彼は、2000年代初頭に、「キャビテーションオイルによる超空間エネルギー発生装置」や「気功エネルギー増幅器」、「壁抜けトレーニングシステム」など、奇想天外な発明の特許を多数申請していたという。

 彼の特許申請の多くは、米国特許商標庁(USPTO)によって却下されているが、なぜこの三角形の宇宙船の特許だけは認められたのかは謎のままである。

三角形の飛行物体「TR-3B」はUFOか、禁断のテクノロジーなのか?奇妙な特許の謎
(画像=出典:米国特許番号US20060145019A1、「Method and apparatus for interactive learning」、Google Patents,『TOCANA』より 引用)