東京市場が北米を含め、世界の市場動向に影響される度合いが高い中で中長期的に株価を見るならば景気循環が最大のテーマになります。アメリカの株価でみると過去、超長期波動はほぼ35年程度のサイクルとなっています。過去のピークは1929年、64年、99年で現在につながっています。ゴールドマンサックスはこれから景気懸念で下げ相場になるとしていますが、このサイクル説が正しければ30年代初頭までは新高値を更新できる感じには見えます。その根拠として金利が下げサイクルに入っており、当面は株価にはプラスに作用するとみるのが妥当だと考えるからです。

今日、カナダは事前予想通り0.50%の利下げをしました。EUも0.25ないし0.50%の利下げが見込まれています。アメリカFRBは0.25%の利下げが確実視されます。来年にかけて各国1.50-2.00%程度の更なる利下げを行うとみています。

一方、トランプ氏が大統領選を制する可能性が高まる中、前回の4年間のようなある意味破天荒なふるまいが可能なのか思案しているのですが、個人的には防御網が張られて無理な気がするのです。つまり世界はバカじゃない、だからトランプ氏が再び登場してもそれに振り回されないだろうとみています。彼の行く手を阻むのは中ロ北朝鮮かもしれません。小僧扱いだった金正恩氏も大人になり、お友達もできたのです。いつまでも遠い向こうの方と理念の話をするより金が稼げる西の皇帝様の方がよいと考えています。

欧州とアメリカの温度差も気になります。このブログで何度も書かせていただいた「バラバラになる世界」は確実に進化しています。中ロが主導するBRICSの会議がロシアで開催されていますが、過去最大級のレベルになっています。ただ新興国は必ずしも大国の傘を心地よいものだとは考えず、ある程度の自由度を求めてくれば西側にも東側にも所属しない第三極としてグループ化すると同時に宗教や慣習ベースで地域ごとのブロック化が形成されることもあり得ます。この場合は世界経済には極めて深刻なダメージとなるでしょう。