天然ガスは石油に代わる燃料源としては環境問題も含め、受け入れやすいでしょう。また再生エネルギーの比率が上昇すればエネルギーミックスが今より更にバランスのとれたものになり、一つの燃料源に偏らなければ枯渇までの想定年数は伸びることになります。それでも天然ガスも有限であり、今の使用量から算出すれば概ね原油と同じ50年程度とされますので、その間にエネルギー源の再構築をする、これが流れになると思います。
当面天然ガスにシフトしながらも石炭のアンモニア混焼や地熱、バイオマスを含め更なる代替エネルギー源の開発の努力を行いながら欧米の石炭悪の思想をどこかで修正させることも重要でしょう。
では最後に原発ですが、各国の政治的判断になりますが、今の原発方式は耐久年数を超えた後の後処理計画が不十分なままであり、安全対策やコスト面も含め相当困難で割に合わなくなるとみています。日本も政治的推進をしても新設と廃炉コストまで踏まえた経済計算をすれば既存方式ではもう出来ないだろうとみています。
小型原発は既存原発のデメリットを改善した画期的なものとされますが、もう少し市場での評価を待たないと我々素人にはなかなか判断しにくいものがあるかと思います。ただ、それ以上に蓄電技術を完成させることが最重要課題であり、本来であれば国を挙げて推し進めるべきものです。ただ、何処の国も既得権との兼ね合いで上手く展開していません。その点、アウトロー的なテスラ社が推し進めるならブレイクスルーになる可能性はあります。
それこそマスク氏がトランプ氏と近い関係となった今、トランプ大統領登場になれば国を挙げて推し進める大転換が起きないとも限りません。
世の中の技術は単なる技術力だけではなく、もっとドロドロした政治やビジネスの駆け引きが水面下で展開される中で誰かが飛び出すということなのでしょう。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年8月29日の記事より転載させていただきました。