娯楽の少ない田舎ほどヤンキーが多いと言われたりしますが、人は退屈するくらいなら痛みを伴ってでも刺激を求める性質があるようです。

米バージニア大学(UVA)の研究チームが行った心理学実験によって、何もすることがない部屋に被験者を置いた場合、多くの人が自らに電気ショックを与えるスイッチを押したというのです。

この傾向は特に男性に強く見られ、男性は何もしない退屈よりも、電気ショックの痛みを選ぶと報告されています。

この研究に関する論文は、2014年7月4日付で科学雑誌『Science』に掲載されました。

目次

  • 人は短時間でも退屈な時間を嫌う?
  • 男性は退屈より「電気ショック」を選んだ!

人は短時間でも退屈な時間を嫌う?

研究チームは、人々が何もしないでいることに対してどのような感情を抱くかを調べるため、一連の実験(合計で200名以上が対象に)を行いました。

最初の実験では、18歳以上の大学生を参加者としてスタートしています。

参加者は椅子と机があるだけの真っ白な壁の小部屋に閉じ込められ、椅子に座って「何でもいいから一人で考え事をしたり、空想にふけるよう」指示されました。

これを6分間、12分間、15分間で行い、実験終了後に「その時間が楽しかったか、どれくらい集中できたか」などの質問に9段階評価で答えてもらいます。

その結果、参加者の回答は平均して9段階評価の真ん中以下であり、ほとんどが「一人で考え事をするのは楽しくない、集中できない」と答えていました。

人は短時間でも退屈な時間を嫌う?
人は短時間でも退屈な時間を嫌う? / Credit: canva

しかし、この結果は狭い実験室や活動性の高い若者のみに焦点を当てていたことに起因するのではないかと考えられました。

そこでチームは次に、18歳〜77歳までの参加者を募り、彼らに自宅の部屋を使って先と同様の実験を行いました。

ところが年齢層や実験環境を変えても、全体的な結果に違いはありませんでした。