海王星は太陽から44億9500万km離れていて、公転軌道の長径は土星の3倍以上、天王星の1.5倍です。太陽から遠いため公転周期も長く、165年かけて公転しています。
地球からの距離も遠いため、地上から見て海王星は最も暗い惑星です。海王星の明るさは8等級で、肉眼では見えません。双眼鏡や小口径の望遠鏡で小さな青い星として見えます。口径20センチメートル程度の望遠鏡なら、条件の良い場合は表面の模様を確認できます。
直径は地球の約4倍で、天王星より一回り小さい大きさです。質量は地球の17倍になります。ガス惑星(木星型惑星)の中では最も密度が大きく、平均密度は1立方センチメートル当たり1.6グラムです。
海王星にも環がありますが、天王星よりもずっと控えめです。環は全部で5個あります。海王星にはかつてもっと多くの環があったのかもしれませんが、衛星トリトンの重力作用によってはじかれてしまったと考えられます。
海王星から見た太陽はとても小さく、点のように見えます。しかし、明るさは約マイナス18等もあり、周りのどの恒星よりも明るく見えます。
海王星には海がある?
海王星の英語名であるネプチューン(Neptune)は、ローマ神話の海の神ネプトゥーヌスに由来しています。その名の通り、海王星は深い青色をしており、まるで海が広がっているかのようです。
しかし、残念ながら海王星の青い色は海の色ではなく、大気や雲の色です。
海王星の大気の主な成分は、水素が約80%、ヘリウムが約19%、メタンが約1.5%です。天王星が青く見えるのは、大気に含まれるメタンが赤色の光を吸収するため、残った青い光が反射されるからです。
天王星の大気にもメタンが含まれていますが、天王星の色は緑がかった薄いシアンなのに対して、海王星は明らかに青い色をしています。2つの惑星には同じようにメタンが含まれているので、同じような青色になってもいいはずですが、明らかに色合いが異なる理由はなんでしょうか?