さらに、中心核にある放射性物質が熱源となっていることも考えられます。地球内部の岩石にはウラン、トリウム、カリウム40などの放射性物資が含まれています。これらの物質は崩壊までの期間(半減期)が長く、崩壊した際に放出するエネルギーが大きいため、現在も地球の内部が高温に保たれています。
海王星の密度は木星型惑星の中で最も大きく、氷と岩石で構成されたコアも大きいはずなので、そこに含まれる放射性物質の量も他の星よりも多い可能性があります。
内部に熱源があるためか、海王星は天王星と比較しても表面に見える大気の活動が活発です。
海王星は太陽系で最も強い風が吹いていて、最大風速は秒速600メートルに達します。海王星の大気には雲のような構造がたくさんあり、大暗斑のような長寿命の嵐がたびたび発生します。
大暗斑の正体は高気圧性の渦で、大きさは地球の直径とほぼ同じです。
大暗斑は1989年に探査機ボイジャー2号が海王星に接近したときに発見されました。しかし、その後1994年にハッブル宇宙望遠鏡が観測したときには大暗斑は消えていました。さらに数カ月後にはまた新しい暗斑が現れています。
大暗斑は、木星の大赤斑よりは寿命が短いようですが、これは海王星の大気がダイナミックに変動している証拠だといえます。
海王星の内部にある「灼熱の氷」
水は固体の状態では「氷」、液体の状態では「水」、気体では「水蒸気」として存在することが知られています。
ところが、海王星の内部では高い圧力と高温のために、固体でも液体でも気体でもない「超イオン氷」という状態になっているといいます。
超イオン氷はその特異な性質によって海王星の磁場にも影響を与えていると考えられています。
超イオン氷とはいったいどのようなものなのでしょうか?