信用度が低い顧客にも大量に発行されたApple Cardの誤算
Appleは「Apple Card」や「アップル銀行」の打ち切りを予定していないと報じられてはいるものの、ゴールドマン・サックスとの提携が終了に向かっていること自体は間違いないでしょう。提携が解消に向かう背景には、Apple Cardが「信用度が低い顧客にも大量発行されたこと」が挙げられます。
Apple製品を愛する顧客は「アップル製品を長く使い続ける傾向が強い」ものの、実は経済的に裕福であるとは限りません。海外では「5人に1人が借金してでもiPhoneを買う」と言われており、Apple製品を買うためにローンを組むケースも多いです。
Apple Cardの保有者がアップルのデバイスを購入するために組んだローンの多くは「焦げ付いた」と言われており、Apple Card関連の損失は10億ドル(約1,420億円)に膨れ上がっているとも報じられています。
「Apple Payで後払い」も終了
Appleが消費者向けに立ち上げたフィンテックサービスは、多くが苦境に陥っているのが現状です。たとえばApple Payの後払いサービスとして立ち上げられた「Apple Pay Later」は、米国でのサービス開始から一年未満でサービスを終了しています。
このサービスは50~1000ドルの製品を購入する際に、4回に分けてローンを組めるものでした。Appleは依然、ユーザーに対して柔軟な支払いオプションを提供することに意欲的ではあるものの、Apple Cardのローンの焦げ付きなど「後払い」「ローン」などにおいて失敗が相次いでいる印象はぬぐえません。
アップル銀行の日本進出は「当面先」か
アップル銀行が将来的に日本進出をするとしても、それは少なくとも「ゴールドマンとの契約解消プロセスが完了してから」でしょう。なおかつAppleにとってはゴールドマンに代わるパートナーを見つけ、なおかつそのパートナーのもとで日本進出が可能な状態になる必要があります。
つまり「アップル銀行」の注目度が高いにも関わらず、日本進出の噂が聞こえてこないのは「日本進出できる状態ではないから」だと言えます。なお、一部ではゴールドマンが撤退するApple Cardの事業について、JPモルガンが引き継ぐことを検討しているとの報道もあります。とはいえゴールドマンの撤退プロセスと、新パートナーとの契約プロセスを同時に進めるのにはしばらく時間を要するでしょう。
アップル銀行の日本進出は実現するとしても、まだ当面先となる可能性が高いのではないでしょうか。
※サムネイル画像(Image:rafapress / Shutterstock.com)
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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