卒アルの写真から寿命の傾向が予測できたようです。
米アリゾナ州立大学(ASU)はこのほど、顔の魅力度が寿命に与える影響を調べるため、高校の卒業アルバムの顔写真を使った調査を実施。
その結果、魅力度が最も低いグループに属していた人々は、他のグループに比べて、その後の寿命が有意に短くなっていることが示されました。
ただ一方で、魅力度が高くなるほど、寿命も長くなるという傾向はなかったとのことです。
研究の詳細は2024年7月2日付で学術誌『Social Science & Medicine』に掲載されています。
目次
- 「顔の魅力度」と「寿命」に関係はあるのか?
- 魅力度が低いと、寿命が短くなる?
「顔の魅力度」と「寿命」に関係はあるのか?
研究者たちはこれまで、人々の「社会的状況」と「寿命」との関係について広範囲に調査を行ってきました。
例えば、収入や学歴の高低、配偶者の有無などが寿命にどんな影響を与えるかなどが調べられています。
その一方で、顔の魅力度が寿命とどのように関連しているかについては、ほとんど注意が払われていませんでした。
しかし、顔の魅力度と寿命の長さの関係を調べることは注目に値すると研究者は話します。
というのも、顔の魅力度の高さは根本的な健康状態を示すだけでなく、社会的な相互作用にも少なからぬ影響を及ぼすと考えられるからです。
例を挙げれば、魅力度が高いほど、面接や商談での印象が良くなったり、プライベートにおける他者との交流にもプラスに働くと予想できます。
そしてこのように社会交流が円滑であったり活発に進むことは、社会的地位の上昇・収入の増加・メンタルヘルスの向上につながり、ひいては寿命をも伸ばす可能性があるのです。
そこで研究チームは今回、顔の魅力度がその後の人生の寿命にどんな影響を与えるのかを理解すべく、ウィスコンシン縦断研究(WLS)をデータセットとして利用しました。