pigmieさんによると、立ちっぱなしはとにかく体への負担が大きく、疲労の蓄積や体の痛みを感じ始めたといいます。
仕事の生産性も疲労が溜まるにつれて落ちていきました。
さらに日が経つにつれて姿勢が悪くなり、関節の痛みがひどくなったため、これ以上は無理だと判断し、挑戦は5日目で終わりを迎えています。
こちらが実験前と実験後のpigmieさんの体の変化です。
実験前より下腹が出て猫背になっており、体重は0.45kgほど増えていました。
これはおそらく、「足腰の痛みや体の疲労を紛らわすために、いつもより多く食べてしまったからだろう」と話しています。
まあ事前に予期されてはいたでしょうが、pigmieさんの挑戦は「極端な立ちっぱなしは体に悪い」という結果に終わりました。
しかし、彼が立ちっぱなし生活の序盤で様々な健康面の改善を感じたと話していたように、座りっぱなしの弊害を軽減させるための努力をすることは有効なようです。
では、1日にどれくらいの運動量をこなせば、座りっぱなしの弊害を軽減できるのでしょうか?
1日にどれくらいの運動量が必要?
これに関する調査はノルウェーの研究チームが2020年に報告しています(British Journal of SportsMedicine,2020)。
この調査では4カ国の合計4万4370人を含む大規模データを対象に分析。
その結果、中程度以上の運動を1日に約30〜40分間行っていた人は、座りすぎに伴う死亡リスクが有意に減少していたことが判明したのです。
中程度以上の運動とはそんなに激しいものではありません。
わかりやすく言えば、心拍数や呼吸数が通常よりも増加するものの、まだ会話はできるレベルの身体活動です。
例えば、サイクリングや少しスピードを速めたウォーキング、社交ダンスやエアロビクス、水泳などが当てはまります。