どんどん精神を病む若い教師たち

最近は、首都圏の小学校教師の新人の多くが辞めてしまうというデータがあります。

精神疾患で休職の教員過去最多 初の6000人超 20代が高い増加率 NHK

文部科学省によりますと、昨年度、うつ病などの精神疾患で休職した公立学校の教員は、 ▽小学校で3202人、 ▽中学校で1576人、 ▽高校で849人、 ▽特別支援学校で872人などで、 合わせて6539人となり、前の年度より642人、11%増えて過去最多

この原因として文科省は 文部科学省が各教育委員会に聞いたところ、 ▽教員間での業務量や内容のばらつき、 ▽保護者からの過度な要望や苦情 を挙げます。 前者は教員の高齢化により、若い教員にいろいろな面倒の押しつけが横行して疲労してしまうこと。そして過激な保護者の過度のクレームがあると認めているわけですね。

私立の場合は親の面接もあり、モンスター・ペアレンツになりそうな場合は不合格にする場合もあるでしょう。でも公立はそういうわけにもいかない。つまり「モンスターペアレンツは教育を受ける権利を妨害している」ともいえるわけです。

いったいどんな人がモンスター・ペアレンツなのか、いろいろ調べましたがなかなか調査資料が無い。やっと片岡えみさんという駒澤大学文学部社会学科社会学専攻教授のかたがまとめたものがあったので本日はそれの紹介です。論文はこちら

高学歴の親が問題なのか

いままで一般的には「親が高学歴なほど学校を信頼せず不信感を持ってクレームをつける」という言説がありました。ドラマや映画でもこうしたシーンをよく見ます。

これは本当なのか。調査自体は2006年とちょっと古いのですが3000名の3歳~中学3年生児童のその保護者の約6000名を対象にした大規模なものです。

先生に対しての信頼は小→中→高とあがると下がってくる

しかしながら、全体として、7割前後のかなり高い比率で親は子どもの先生に対し、信頼や尊敬の念をもっているということがわかる。つまりモンスター・ペアレントはごく一部なのだ。